Re:TOOTHの立ち上げ経緯

学生時代に病気をして手術を受けることになり病院に入院しました。見上げると年季の入った天井、変な色の組み合わせの壁、リノリウムの床にスリッパが当たる音、ほつれたソファ。始めての入院で不安だったからか、思い出すのはこんなことばかりです。しかし、この入院経験が病院のデザインをもっと良くしたいという想いに繋がり、インテリアデザイナーという職業を選択するに至りました。

何事も思うようにはいかないもので、病院のインテリアに取り組む機会はなかなかありませんでした。だんだんと、色やかたちといったハード面だけではなく、イベントや交流などソフト面も含めて病院に関わりたいと考えるようになりました。

その後、いくつかの出会いから入院中の子どもたちの現状を知りました。多くの事を犠牲にしながら病気と闘わなければならない彼らの生活。彼らに夢や希望を届け、退院に向けての前向きな気持ちづくりを支えたい。そんな想いに突き動かされ、子どもたちとその家族、医療者にヒアリングを重ねながら、本当に喜んでもらえる院内イベントの企画を考えました。しかし同時に、私たちだけで企画を実現していくには限界があることがわかりました。それでも何とかしたい、という一心で多くの方々の知恵を借りながら、新しいタイプの寄付Re:TOOTHを立ち上げました。

Re:TOOTHは一人ひとりが「歯を治す」ことでできる社会貢献です。
歯の治療でいらなくなった金歯・銀歯はリサイクルすることでお金に替えることができます。このお金を、入院している子どもたちへ向けた楽しい院内イベント開催のために使い、その後も関わり続けるための仕組みです。寄付先での活動はすべてご報告します。

一般社団法人KIFU
Re:TOOTH運営事務局長  黒坂昌彦